機械装置と電子工学の融合から人を代替する精密機械が生まれた
二足歩行の完成度の高さに世界が魅了された
ASIMO(アシモ)の初期モデルは、2000年にホンダが完成させました。
アシモの自在に歩き回る姿が映し出された当時のテレビCMは、国内外を問わず大反響を呼び、時代の変化を予感させるような潮流を作り出したといっても過言ではないでしょう。
アシモは予測運動制御という機能を搭載することで、階段の上り下りやダンスなどの人が行うような動作を滑らかに実現しています。
また、人間の生活に順応できるように、手を出すと握手をしたり障害物を避けたりするなど、人の動きを感知するための自律的な行動システムを備えています。
直近の3代目アシモは同時に3人が話す言葉を認識できたり、ふたをひねってコップに飲み物を注ぐことができるようになるなど、認識や作業などの機能が強化されています。
ホンダはアシモの腕関節の技術を活用して、福島第1原子力発電所内で作業ができる原子力災害ロボットを開発しています。
レスキューロボットの技術開発が進む日本
ロボットと言えば、人の動きをコンピュータの制御で自動的に行う機械装置をさし、労働力の省力化や稼働時間の効率化などに貢献する産業用ロボットの印象が強いのではないでしょうか。
それにとどまらず、ロボットの技術開発は災害大国ニッポンが抱える課題への対応のためにも取り組んでいます。
この課題への対応として、レスキューロボットの開発が進められています。
レスキューロボットは、地震などの災害で被災した人を救助することなどを目的としています。
発端は、阪神・淡路大震災です。
現地では、甚大な被害のうえに火災などの二次災害が発生するなかで、人による救助が物理的に困難な場所での被災者探索が求められました。
このような要救助者の探索のほかにも、がれきや人が行き来できないようななかを速やかに移動することができるロボットが開発されています。